歩きかたの話し その2
前回の続きで歩き方の話
効率の良い歩き方は、運動学によると、
前に振り出した足が着地して、そこへ重心が移った時には体の真下に足があり、
さらに、杉本龍勇(法政大学経済学部教授/研究分野:スポーツ経済学、スポーツ経営学/岡崎慎司パーソナルコーチ)によれば、
その時の膝の角度は175度から178度。
これ、ほぼ膝まっすぐ伸ばしとるやん。ということでした。
これは、走り方にも共通する事項で最もロスが生まれにくい。
対して最も非効率なのは、足をぐいっと出して、着地したら膝をぐにゅっと曲げて吸収して、また次の足をグイっと出して…という歩き方。
で、よく見るおっさん歩き、ビートたけし歩きなどを動画で紹介した。ここまでが前回。
今回は、いよいよ効率よい歩き方について考える。
最も大切なのは、
振り出した足に乗り込んでいくのではなく、引き寄せる。
できれば体の真下まで。
そして、
意識して膝を曲げない。
膝は歩くと必ずいくらか曲がるので、自分から曲げなくてよい。
自分から曲げると膝を壊す動きになる可能性が高い。
この動きのわかりやすいヒントは競歩にあった。
下は競歩っぽく歩いてみたときの画像。
膝の角度がかなり大きいことがわかる。175度には届かないけども。
そして足がかなり体の真下に引き込まれているのがわかる。
競歩のルールでは膝を伸ばさないと失格になるが、大会に出る人以外は気にしなくてよい。
あくまでも競歩のように…でよい。
この競歩っぽい歩き方で大切なことは、
できるだけ膝を曲げずに着地し、そのまま膝を伸ばすようにして体の真下へ引き込み、地面からの反発を得る。
ということ。
この歩き方のコツがいくつかあって、
そのひとつは平均台を歩くようにすること。体の前に足を持ってくると引き込みやすい。
もう一つはおなかをへこませ、遠くを見ること。重心は高く!。
日本人の大好きな低重心は、体の反応や動きは悪くなることが研究でとっくにわかっている。
街中で競歩風の歩き方をすると周囲に二度見されるので、この動きを日常の歩き方に落とし込んでみる。
自分的にはもう少し膝を伸ばしたかった。
が、とりあえず膝を壊す危険からは解放されている。この時点ですでに膝を伸ばしにかかっているからだ。
しかも速度が速い。
この歩き方でウォーキングすると5キロが50分台になった。時速6km。
二足歩行は人間の特技の一つだ。
ただ、解剖学的には二足歩行にはかなり脆弱な身体なのだ。
ゴリラやオランウータンが、日常は四足歩行のことからもわかる。
たかが歩行、されど歩行。
大切な膝や腰を壊さないように、かつ快適に歩きたい。
余談
「足の速い子どもと遅い子ども」
僕は足が速かった。
100m…11秒6
200m…21秒8
50m…6秒0
どれも教育大学時代。
体育科の授業中、土の競技場で、ジョギングシューズで計測。
タイムが出るたびに陸上部の同級生に「お前なあ!!、いいよなあ~」と言われたのを覚えている。
昔から速かったわけではなく、幼稚園のかけっこでは後ろのほうを走っていた。証拠がビデオに残っている。
小学4年生の時からいきなり速くなった。
西日本は東日本に比べ運動場の土が黄色くて固い。毎年運動会前には全校作業できれいにトラックの石が取り除かれる。
このカチッとして少しひんやりした土のグラウンドを裸足で走ると気持ちいい。
今と違ってアキレス靴の「瞬足」のようないい靴はなかったから、運動会練習から本番も裸足で走るようになった。
このときに、
足が自分の真下で地面を軽くひっかいているときにスピードがでている!
ことを偶然体得した。
体得してすぐに絶対に勝てないと思っていた友達を最終コーナーで抜いたことは今も覚えている。
そこから中学生~高校生の間、運動会のリレーではずっとトップかアンカーだった。
スピードに乗ると足が軽く地面をひっかいていく感覚は自分の大切な感覚の一つだった。
小学生の低学年くらいで、すでに足の速い子と遅い子に分かれる。
速い子ほど
足が自分の真下で地面を軽くひっかいているような感覚
この感覚に近いものを体得していると思う。
低学年くらいだと遅い子もまだ一生懸命走る。
(中学年くらいになると遅い子はいやいやで走るようになる。)
見ていると、一生懸命走るけど遅い子は、がんばって足を出して前に前に身体を持っていこうとする。
顔も前に前に出てこうとする。だって速く走りたいもんね。
残念ながら、前に出した足を引き込んでくる動きがないので、精いっぱい出した足が逆にストッパーになってしまう。
つま先立ちトレーニング~その場スキップ~走るスキップで、身体の真下で足を掻く感覚はつかめていくはず。
ベアフット(裸足)ランニングもよい。
スタートダッシュは、ナンバ走りの倒れこみスタートで感覚が変わるはず。
小学校の教員時代は教えてあげられなかった。
もも上げとか教えてたな。それだけでは不十分。むしろ逆効果もありえる。
自分が速く走る感覚を得ていたにも関わらず…。
掘り下げ方が足りなかった。
ほんとに子どもにすまなかったと思う。
#肩 #腱板断裂 #手術 #リハビリ